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笑って、頷いて

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笑って、頷いて

施設にて

日暮れも早くなり秋風が心地良い日もあれば汗ばむ暑さの日もあり、体調管理の難しい季節です。皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

夏の疲れが出やすい時期です。呉々もどうぞお気をつけて下さいませ。

母が先週の土曜日に1か月半の入院生活を終え、リハビリテーション完備の施設に転居致しました。病院から施設までの10分間程を介護タクシーで移動したのですが、久し振りに母の隣に座りじっくり顔を見ることが出来ました。手を握ると力強く握り返してきて、両膝をマッサージすると嬉しそうにありがとうございますとお礼を言いました。期待はしていないけど、「お母さん、私はお母さんの娘よ。」と言うと母はにっこり笑って何度も頷きました。母はいつ頃からか、何を言っても何もわからなくても笑って頷く様になりました。母が私を忘れた日の寂しさは今でも忘れられません。でも母が今でもあの頃のしっかり者のままだとこの状況に耐えられるだろうかと、それを考えるとやっと私はこれで良かったんだと思える様になりました。

施設の方が、「お母さんにどの様に生活して欲しいですか?リハビリを頑張って欲しいとか、施設に望む事など何でも仰って下さい。」と言って下さり、私は、「皆さんお忙しいでしょうけれど、もしお手隙の時間がございましたらどうぞ母に話しかけてやって下さい。人が大好きな母なので。笑って穏やかに過ごせますように、娘としてただそれだけを願っています。」と答えました。  

他に何を望む事があるでしょう。

また会いに行くからね。

何度でも会いに行くからね。

お母さんが私を忘れても、私は忘れないから。

また足を撫でてあげる。

だから笑って何度も頷いて欲しい。