銀座のトリル 03-3572-8228

10月 2017

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私・店内にて

夕方毛布に包まっていたら、いつの間にか眠ってしまっていたようです。ハッとして起きて時計を見たら深夜2時でした。台風が少しずつ近づいてきているようです。皆様、お気をつけてお過ごし下さいませ。

私が週末の深夜になると必ず行くマンション1階のお部屋があります。

ラウンジと名付けられたお部屋で、ソファーが5脚と天井まで伸びた観葉植物が2つ、窓からは大きな木が見えます。深夜にやって来てはその木に光が当たり始めるまで、長い時には5時間近くそこで過ごしています。

鬱病ではありません。笑

深夜2時を過ぎる頃には誰もいなくなって、ラウンジは私1人になります。私はその瞬間の開放感が大好きでした。それなのに1か月くらい前から、その快感を知った人がもう1人。初めは少し待っていればいなくなるだろうと思っていました。

ところが毎週末やって来て木に朝日が当たるまでいます。ずっと一緒です。私は1番前のソファーが定位置でその男性には背中を向けて腰掛けている為、1度も顔を見た事はありませんでした。後ろの男性は一体全体朝まで何をしているのでしょうか。

I’d love to hear

I’d love to hear absolutely

「私は朝まで寝ないのでここに来ています。

この時間は人が居なくなって何ていうか別世界というか?好きなのよ。

いつもニュースを読んだりブログを書いたりしています。

このお部屋の匂いも落ち着くんですよね〜。

えっと週末の夜は大体こういう楽な服装なのよ、自宅だもん。

で、えっと髪もね、ゴムでまとめてポンみたいな。

いつもは綺麗にクルクルにしてますけれども。」

男性と話したらこんな感じかなぁって想像してみた。思い切って振り帰って見ようと思った。

クルっ!

オバサンかーい。笑

店内にて

秋の長雨のことを秋霖(しゅうりん)、すすき梅雨とも言うのだそうです。雨ばかりで気が滅入っていた私ですが、この美しい言葉を知った途端に少し心が晴れた気がしました。来週も寒い日が続くようです。皆様、呉々も体調を崩されませんように。

学生時代は友人の多い私でした。私の周りはいつも賑やかでした。早くに家庭に入り専業主婦になってからも幼馴染がよく遊びに来てくれました。夜のお仕事を始めてからも時々電話をくれました。でも彼女の昔と変わらない明るい声や話題に私はもうついていけませんでした。

夜のお仕事に慣れた頃、一緒に帰ろうと誘ってくれる友人が2人出来ました。

私達は1度もどうしてホステスをしているのか聞きませんでした。折角親しくなったのに直ぐに1人は向いていないとお店を辞めました。もう1人も間もなくお店を変わり会う事はなくなりました。それでもその後も私は2人にメールを送り続けました。

ところが久し振りに2人にラインしてみようかとスマホを開いたら、片方にメンバーがいませんと表示されました。電話帳を見たらそこからも消えていました。驚いて携帯のアドレスにメールをしたら『送信エラー 』

私は何か聞いているかもと残っている方に、

『メグちゃん、お久し振りです。お元気ですか?メグちゃん、実は先週ミリちゃんが電話帳から消えていました、もしかしたらメグちゃんにミリちゃんから何か連絡が入っていないかと思い連絡させてもらいました。何かご存知でしたら教えて下さい。もあ 」

『もあさん、ご無沙汰しています。私は何とか元気でやっています。結婚して年末に出産予定でお腹がパンパンです。もあさんはお元気ですか?店は順調ですか?ミリちゃんという方のことですが私はミリちゃんって方を知りません。お店にいた人ですか?あれから夜のお仕事は全くしていないんですよ〜。お店で知り合った人で登録しているのはもあさんだけです。因みにメグはお店での名前です。笑。お役に立てず申し訳ありません。』

じゃ、YOUは誰?

改名したいわ、秋霖に。

私・店内にて

晴れていても夕方からの風は肌寒く、半袖姿の方を見かける事もなくなりました。お天気に恵まれた10月の3連休、皆様はゆっくりお過ごしになられたでしょうか。

明日は娘がお休みだから、「一緒にお買い物に行こうよ。」と言い出したのは私でした。早朝にお洗濯やお掃除も済ませて出発するはずでした。それなのに寝ても寝ても眠くて。眠りながら、「明日は私がお休みだからって言ってたのに。もう暗くなっちゃうよ。」残念そうな娘の声を聞いていました。

眠る度におなじ夢を見ました。海で溺れる恐ろしい夢です。

浅瀬でまだ若い私は娘と遊んでいました。気付いたら遠くに流されていて、私は娘を抱えて必死で立ち泳ぎをしています。浜辺にいる人に助けてと何度も叫ぶけれど誰も気づいてはくれません。沈みそう、そう思った瞬間にハッと目が覚めて。

娘を探すとちぇると遊んでいました。ホッとして私はまた眠りの中に。

何度も沈んでは浮かび上がりながら必死で息をして、「この子だけは助けないと。この子だけは。」

沈んで浮き上がって、助けを求めようとした瞬間に思い切り海水を飲み込んでしまいました。もうダメだと諦めかけた時に目が覚めました。ぼんやりした頭で娘を見たら、冷蔵庫を覗いていました、娘は生きてる、良かったとホッとしてまた眠りの中に。

また溺れていました。娘を抱えてる腕にもう力が入らなくて、恐怖で泣き叫ぶ娘を抱えて私は沈んで行きました。辛くて情けなくて惨めで申し訳なくて、泣いて泣いて。

そこで目が覚めました。

娘は私の目の前に座ってポテトチップスを食べながらテレビを観ていました。

夢だった、私は大きく一つ息をして、「怖い夢を見たわ。海で溺れてる夢。深い所に流されて怖かったわぁ。何度寝ても続きを見てほんと怖かった。」と娘に。

すると娘が振り返って、

オシッコ出たいからじゃない?

はぁ〜?

私・自宅にて

風が心地よくさらっと吹いて葉っぱが足元に、私の好きな季節がやってきました。今日から10月、神無月です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

父が亡くなり四十九日も終わって落ち着いた去年の秋の頃、もしかしたら今後は私が父の残した書類を管理する事になるのでは?これは責任重大だと金庫を購入しました。

父は生前、「お前には紙切れを残してやるから。」と笑って何度も言っていました。私は父がまさか本当にそんな事はしないだろうと思っていました。でも結局、それは本当の事でした。笑

重い金庫の中に入れたのは、父の金庫に転がっていた錆びた古い硬貨と腐りかけの紙幣、吹けば飛びそうな盃とメダルでした。金庫なんて買うんじゃなかった。

先日、久しぶりに金庫を開けてみる事にしました。そしたら金庫の鍵がどこにも見当たらない。

私は引き出しという引き出しを開け探し回りました。整理魔の私が金庫の鍵を無くすなんて事は、目覚めたら80歳になってるくらい有り得ない事だから。『玄関 』とシールを貼ってある鍵も、もしかしたらと一応差し込んでみました。玄関の鍵でした。

金庫の鍵穴の奥を覗き込んだりもしました。鍵穴でした。

明らかに違うだろう〜っていう鍵も差し込んでみました。

入りませんでした。

もう1度血眼になって探したら、金庫のスペアーキーがひょんな袋から出てきました。鍵には◯金と書いてあり、◯金は鍵穴に気持ち良くスポッと入ってくれました。

そして開けたら、そこに、

金庫の鍵。。笑