まるで海の底のようなシックなライブ&バー♪
忘年会・新年会などのご予約はお早めに 03-3572-8228

こちらこそ

こちらこそ

20151124-013739

父が入院をしてから、1人で暮らす母が毎週末やって来るようになった。
最近はすっかり物忘れがひどくなり、一緒にいる数時間に同じ質問を何度も繰り返す。
誰よりしっかり者の母だっただけに、最初はショックを受けた私だった。
何とか少しでも元の母に戻って欲しいと願った。
だけど今は・・・諦めた。
それならばもっと点数を貰える認定をと思うけれど、物忘れが激しいだけで他の症状が全くない母は介護1。
平日は出来る限りの支援をお願いし週末は我が家に、それが習慣になった。

 

母は娘にネイルとエステをしてもらいながら、「 お父さんを見送るまでは死ねないと思うのよ。」って言った。
「 じゃ頑張らないとね。お父さんは病院にいてとっても落ち着いてるもの。」って私。
「 えっ、元気なの?」
「 元気じゃないけど。環境の良い病院にいて見守られてるもの。」
「 あらら〜。」
「 あらら〜じゃなくて。」笑

 

昨夜はすき焼きをして食べさせた。
「 はい、焼けたわよ。いっぱい食べて。」
母のお皿にお肉、きのこ、春菊・・・次々に入れていく。
母は、「 あぁ〜、美味しい。皆んなで食べると美味しいわ。」って喜んで。

 

「 お父さん、まだまだ生きる?」

 

「 それはわかんないけど。お母さんも頑張って。」
「 はい。」
「 ちゃんと出来ることは頑張ってやってね。」
「 はい。頑張ります。」
「 美味しい?」
「 うん!美味しい!!」
「 そう?良かった。で、夜は良く眠れるの?」
「 うん。良く寝るのがお仕事みたいなものだもん。」って笑って、

 

「 お父さんさえ見送ったら、私はいつでもいいんだけどね。」

 

「 じゃ、お母さんも頑張らないとね。」
「 はいっ!私は幸せな人生だった。良い人生だった。」
「 だったって、まだ生きてるけどね。」
「 あはは。・・・お父さん、長生きなの?」

 

それからおミカンを。
丁寧に剥いて母と娘に交互に手渡し食べさせた。
私は困った事があったらすぐに私に電話をする様に言って聞かせた。
それから、「 あなたの子供は何人ですか?」って聞いてみた。
母は嬉しそうに真っ直ぐ私を指差して、

 

「 こ・の・・子。1人だけ。」って。

 

「 正解!私の顔だけは、何があっても忘れないでね。」
「 忘れないよ〜。」
「 本当に〜?本当に忘れないで。」
「 はいっ!幸せだったもん。ありがとね。」
「 だったって、まだ生きてるけどね。」

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。