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銀トリ日記

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毎日蒸し暑い日々が続きますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
今日は私にしては珍しくちょっとだけ真面目でちょっとだけ長いお話をアップさせて頂きました。
最後まで読んで下さりご理解を頂けたら嬉しいです。

実は私、癌になりました。

やっとコロナの行動規制が解除され通常営業が出来るようになり、少しずつ懐かしいお客様方がお顔を見せて下さり、新客様との出会いも増えてきて、さぁ〜これからと張り切った最中の告知でした。
私は姉を胃癌で亡くしており姉の死を教訓に毎年欠かさず検査を受けていましたが、コロナ禍の3年間は感染を恐れ病院から足を遠ざけていました。
今更ですが、私は何を怖がっていたんだろうと悔しい思いが何度も頭を過りました。

それでも日を追うごとにもしかしたら癌というのはそういうものなのかもしれないなぁと思うようになりました。
いくら用心していても欠かさず検査を受けていても、癌は突然何の前触れもなく誰のところにでもくるものなのかもと。
私の癌も例外ではなく、突然やってきました。

5月に少し長めのお休みを頂き、生まれて初めて北海道に行きゆっくりぐるっと左側を旅してきました。大自然に感動し美味しい食べ物に感動し、行く先々で地元の方との面白いエピソードが増え元気に帰宅してきました。
早速ブログにアップしよう〜と考えていた矢先の土曜日の早朝、お腹に不快感を覚えおトイレに行ったら不正出血。「あ、これはダメなやつかも。」
それが私と癌との出会いでした。

月曜を待って近所の検査機関に駆け込み痛くない検査と痛い検査と血液検査をしてもらって辛抱強く待つ事2週間。
マーカーは異常な数値を示しており女医さんの診断は子宮体癌の疑いというものでした。
「紹介状を書きますので詳しく検査をしてもらって下さい。○○大学と○○大学、○○病院のどちらにしますか?」
「どちらと言われても・・・あのぅ〜、早く見てもらえる病院はどちらですか?」笑

翌日、紹介状を持って選んだ大学病院に行き、痛い検査や痛くない検査、血液検査とCTをしてもらい、またまた待つ事2週間。
「子宮体癌ではないかと、ステージはおそらく1ではないかと思われます。この画像を見る限り転移はしてなさそうです。次はMRIを受けてもらいますね。それでもう少し詳しくわかると思われます。」

思われます?

翌週にMRI検査して、また2週間。
先生は画像を指差しながら、「カメラが届かなかったここ、この部分がそうではないかと思います。これを見る限り転移はなさそうですね。」
「先生、私はやっぱり癌なんですか?」
「手術してみないと決定は出来ませんがマーカーの数値と画像では子宮体癌だと思われます。ステージは1aか1b、来週全身麻酔で組織を取って検査を行いますがそれで更に詳しくわかると思われます。」

思われます?

また検査するの?とか、また待たされるの?とか、こんなにあれこれ検査をしても疑い止まりの病名なのかとか、最初の検査から既に1か月以上はゆうに経っていて癌なら進行するんじゃないかとか、色んな不思議や苛立ちや不安に落ち込みそうになりながらただ耐える毎日が続きました。
気になって有明がんセンターのHPで1度だけ、子宮体癌について調べました。
それ以降は余計な情報まで知って自ら不安にならないよう癌関連の物は一切見ない読まないと決め、結果待ちの間はクスッと笑える動画やブログを読んで過ごしました。

この精神的に厳しかった時間はきついものではありましたが、私に色々なものを気づかせてくれる為の貴重な時間だったと思います。
自分にとって大切な物は何なのか
私はどういう人間なのか
これからどう生きたいのか
いつもは普通だと思えるもの全てに意味があり、普段は見落としがちなものがはっきり見えた時間でした。
特にお店は嫌なことを忘れさせてくれる唯一の場所でした。
夕方に準備を始め出勤する、私にとっては何十年も変わり映えしない毎日ですが行かなくてはならない場所がある、それがどれほど支えになったか。お客様がいらして下さること、それがどれほど私を救って下さったか、とても言葉には出来ません。

ありがとうございました。

金曜日に最後の検査結果と現段階で分かる範囲での病状と手術の日程や内容、入院や術後に関する説明を受けてきました。
18日からいよいよ待ちに待った治療が始まります。
やっと治療して貰えるとホッと胸を撫で下ろしています。
手術後の検査で初めて正しい病名やステージや術後の治療法が決まるということですが、先のことはその時に考えることにして、先ずは6時間の手術に備え、先生や看護師さんの言うことをちゃんと聞き2週間の入院を乗り越え無事に帰宅することだと思っています。

長く重いブログになってしまいました。
ごめんなさい。

【お知らせ】

7月14日(金曜日)PM7:00〜深夜までは通常通り営業致します。
7月17日〜8月1日まで臨時休業させて頂きます。  
8月2日(水曜日)PM7:00〜通常営業致します。
尚、私は8月2日〜暫くの間は体調を見ながら出勤させて頂くことになると思います。

皆様には大変ご迷惑をおかけ致しますがよろしくお願い致します。

暑さ厳しき折、皆様も体調をくずされませんようお元気でお過ごしくださいませ。

大好物の空やもなかとマスター

今朝お店を閉めてタクシーが自宅前に着き、車を降りた私の頬に温かい風が当たりました。その瞬間に、「あ〜、春なんだなぁ。」と・・・。

私はやっと真っ暗な細くて長いトンネルを抜けた様な気持ちになれてホッとして、何年か振りに1度も起きる事なくお昼まで熟睡出来ました。

姉が亡くなる少し前の事です。ベッドの淵に腰掛けて姉の痩せ細った脚のマッサージをしていたら、「辛いことが起きるともうこれ以上苦しい事はないだろうと思って生きてきたけど、まだあったわ。」と辛そうに呟きました。

私は撫でる手を止めて。

それなのに返す言葉が何も見つからず黙ってしまいました。母親似の姉は決断力に優れ、いつも前向きで強い人でした。優柔不断でだらだら過ごす私にとって、姉は羨ましい存在でした。そんな姉の弱った言葉に何をどう言えば良かったのかと今でも時々考えてしまいます。

最近少し早目に出勤して、もう何百回、もしかしたら何千回、通い続けた街を歩いています。職種は違うけれどそこで一生懸命に働く人達を眺めています。

頭から肩に、肩から腰に、腰から足の指先にまで思い切り力を入れていたのかな。

目に入る風景や忘れて良い事まで、全部覚えておこうとしていたのかな。

もうそろそろ自分を解放してあげないと。

だらだらで良いよね。

また苦しい次があるなら。

私は私で良いよね。

これからも生きていかなきゃいけない。

ヒルトンにて

名古屋のお客様が、マイペースで頑張れと励ましのメッセージと山桜のお写真を送って下さいました。エールを送らなければいけないのは私の方なのにと反省しかけて、「あ!でも私っていつも皆さんに励まされる方だった。いつも通りだわ。」と笑えてきて、少しずつ私は私を取り戻し心が柔らかくなっていると胸を撫で下ろしました。時は残酷で優しいものですね。

残酷といえば、昨日は私の誕生日でした。笑

沢山の方からお祝いのメッセージを頂き、覚えていて下さった事に感激致しました。ありがとうございました。昨年、深く傷つく出来事が私に降りかかった事を知り、ご心配のお電話やメールも沢山頂きました。未だ完全には問題解決に至っておらず今は母の事としかお話出来ません。ご心配を下さり重ねて感謝申し上げます。ありがとうございます、そして何も話せずごめんなさい。

自分ではそれを頑張って心の奥深く閉じ込めていたつもりでしたが、家族には見破られていたのか・・・気分転換に行こうとこの連休は軽井沢ヒルトンに誘ってもらい連泊していたのですが、食事とお風呂以外は座ると睡魔が襲ってきて寝てばかりでした。起きている時も暑いだの寒いだの、美味しいだの不味いだのと意識朦朧で文句ばっかり言ってたような・・・

「ドライブに行かない?」

「行かな〜い。寒いもん。何でここはこんなに寒いの?」

「軽井沢だからね。雪降ってるし。」

「暑くない?このお部屋、暑すぎない?」

「そう?暖房つけてるからね。切ってみる?」

「う〜ん・・」

「切る?切ると凄く寒いと思うよ。」

「そなの?じゃ、いいわ。暑いけど。」

ごめ〜ん、ごめんごめんごめ〜ん。笑

受付ロビー前で寝ようとする私
自宅にて

窓越しに差し込む日差しの下に立ち風景を眺めていたらふと、これからはもう自分中心で自由気ままにやって行きたいと思いました。

10日程前の事です。

銀座のクラブに勤め始める前にもそう思ったはずでした。それなのにやっぱり私は強さも知恵もないのに人の心配ばかり、そう感謝もされず挙げ句の果てに疲れ果ててガックリが定番でした。

今度こそは絶対に!暖かい陽だまりの中でそう強く心に決めました。

昔は黒いドレスは縁起が悪いからダメ!と大ママに注意されましたが、今となっては誰からも何も言われず最近の私は私服もドレスも黒ばかりでした。

でもどれを着てもお客様には1枚しか持っていない様に見えるらしくて。笑

見た目から変えてみよう、せめてドレスだけでも変えてみようと先週末にカラードレスを数点購入。

髪色も少し派手にしてみました。

帰宅して直ぐにお店に行き深夜2時まで厨房周りを使い易く変えました。

翌日はPCでボトルのメニュー表を作成。その後、朝までかかって決算の書類を整理して提出。

動いて変えて変えて動いて、あっという間に週末が終わってしまいました。

派手なドレスと髪色で落ち着かない平日を過ごし、やっと迎えた今週末。

待ちに待った自由気ままな私の休日がやって来ました。

ネイルサロンで数年振りに爪の形を変え、サロン帰りに大量のチョコレート材料を購入。

帰宅直後からチョコ作りに取り掛かりました。

お客様にお出しするチョコレート作りは3年振りでした。

あの方はお抹茶チョコを喜んでくださったとか、次はアーモンドチョコを作ってと言ってくださったとか、色々思い出して懐かしさで胸が一杯になりました。

溶かして冷やすを何度も繰り返し包装してケースに並べ乍ら数えたら、なんと5種類400個。

誰が食べるのかな?笑

時計を見たら朝の8時でした。

指も腕も腰もどこにも力が入りませんでしたが、最後の力を振り絞りあれこれ洗ってあれこれ拭いて元に戻し、シャワーを浴びてベッドに倒れ込みました。

明日は母に購入した衣類に名前を縫い付けなければ、何時間かかるかなと思いながら。

そして見た夢は・・・

マスターが、「ママ、チョコレートがありません!」

「え?!昨日作って持って来たでしょ。」

「それがないんです、どこにも!」

「は?どうして?誰かに盗られた?!」

「それしか考えられません。」

「はぁ〜?」

びっくりして飛び起きてキッチンまで来たら、冷蔵庫に抹茶色の指紋がペタペタ。

こいつだな,犯人は。爆

湯河原にて

梅香る季節となりました。昨夜は帰宅時の寒さを予想して厚めのロングコートと長いショールで出勤したのに、それでもタクシー乗り場に着く頃には背中が冷え切っていました。寒暖差の激しい時期です。皆様、風邪などお召しになりません様、お気をつけてお過ごし下さいませ。

日記を読み返してみたら昨年の私は、もう少ししたら湯河原の梅林を見に出掛けていました。4000本の満開の梅はそれはそれは見事でしたが、途中から私ってそこまでお花が好きじゃない事を思い出したり、もう直ぐ見向きもされなくなる梅の木に自分を重ね合わせて寂しくなりました。

あれから早1年、時って本当に残酷です。笑

昨年末から私を取り巻く環境で色々と変化がありました。それは私にとって余りにも辛い出来事で、一時は笑えなくなり誰に対しても不信感を抱くようになりました。本態性振戦はますます酷くなり全身がガタガタと震え続けました。私が今までしてきた全ては無意味だった、私はこんなに傷ついたのに相手は何事もなかった様に楽しそうに笑ってる、そう思うと悔しくて自室に駆け込み隠れて泣きました。

その間、家族の励ましに支えられながら、やっと最近元の位置に戻りたいとそう思える様になりました。私は無意味とわかっていてもそうしてしまう人間で変われない、それが私、私は私。相手だって変わらない、そういう人達。私に許す器はこの先も出来ないけれど諦める事は出来る。これは良い経験だったんだって、そう思いたい。

春が可愛いキャストを連れてきてくれました。桜の頃までにもう2人ほど出会いたい。お店にお花が咲いたみたい、少しホッとしてクスッと笑えた自分がいました。

これをバネにもう一度頑張ってみよう。